施工管理の仕事内容
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施工管理の4大管理とは
原価管理
施工管理における「原価管理」は、工事が予算の範囲内で完了できるように原価を管理する業務です。この原価とは、資材などの発注や機器のレンタルにかかる費用、人件費などが含まれています。
建設工事においては、あらかじめ予算が定められています。そのため、原価管理を行わなければ、赤字になる可能性が十分にあります。また、工事による利益を得るためには、無駄なコストを削減して予算内で工事を行っていくかが非常に重要なポイントとなってきます。以上の理由から、原価管理は必須であると言えます。
原価管理を行う際には、帳簿を用いて収支と支出を管理し、原価の計算を行っていきます。コスト削減が必要と判断した場合、具体的な数字を根拠としながら作業員に対して指示を出していきます。これは、根拠が示されない状況で作業員に指示を出した場合には、施工管理としての信頼を得られなくなってしまう可能性もあるため。どのような部分が工事の利益率に影響しているのかをはっきり示すことによって作業員も納得し、指示の通りに動いてくれるはずです。
さらに、原価管理を行うと効率的な工事の計画を作成できる点もメリットのひとつとなっています。効率的な工事計画は、工事の無駄を削減できますので、予定している工期の遵守や作業員の安全確保にも貢献します。
工程管理
「工程管理」は、あらかじめ決められている工期までに建設工事を終了させることを目的として、作業日程の管理を行いながら全体的なスケジュールを管理する業務を指します。建設工事には非常に多くの工程があり、多くの人が関わります。建物の規模が大きくなるほど関わってくる人の数も増えますので、ひとつひとつの作業が遅れていないか、ずれがないかなどを細かく確認し、全体の調整を行っていく必要があります。
実際の現場では、PDCAのサイクルを回しながら工程管理を行います。作成した工程表をもとに工事を進め、進捗によっては工程表の手直しを実施し、さらに進捗の遅れや計画のずれが出ている場合には、計画を立てる段階までいったん戻り、再度計画を検討する流れになります。
また、進捗状況を管理することで現場の状況を把握でき、資材の原価確認や発注管理、納期管理に加えて、適切な人員配置にもつながります。このように工程管理は原価管理や品質管理にも直結しており、非常に重要な業務であるといえるのです。
品質管理
「品質管理」とは、発注者が求めている品質に合った建物を実現するための管理を行う業務です。ここでいう「品質」とは、完成した建物の強度や密度などを指していますが、設計図書に記載された品質を満たしているかについて確認や試験を行います。また、設計図書に加えて、それぞれの自治体が定めている基準をクリアする必要があります。
さらに品質管理においては、設計図書・仕様書に記載されている規格から、資材の寸法や品質が条件を満たしているかについても確認を行っていきます。この場合の確認に使用されるのが「新QC7つ道具」を使用します。これらは、品質管理で必要なデータの特性や要因の分析に役立ち、下記の7つが含まれます。
- 親和図法
- 連関図法
- 系統図法
- マトリックス図法
- アローダイアグラム
- PDPC法
- マトリックスデータ解析法
品質管理により、発注者の要望に沿った建物の建設が可能となるため、企業として信頼を得られる点や、建物の欠陥を防ぐなどのメリットが得られます。
安全管理
「安全管理」とは、さまざまな危険が伴うケースがある建設現場において、すべての工程が安全に進めていけるような作業環境を確保するための管理を行うための業務です。建設現場にはさまざまな作業員や業者が関わりますし、工程が進むと作業の内容も変化していきます。その中で、想定される危険に対して対策を行うことによって作業員の安全を守る点も、施工管理者の役割となっています。
また、安全管理を日頃からしっかりと行っておくことにより、万が一トラブルが発生した場合にも影響を最小限に留めることにつなげられるため、非常に重要な管理業務といえます。このような点から、建設現場においては以下のような対策が行われています。
- 機材点検:現場で使用している機材の安全確認を行う
- 工法の確認:決められた工法通りに作業を行っているかを確認する
- 危険予知運動:作業を進める中でどのような危険が起こる可能性があるかを想定して、未然に事故を防ぐ
- 作業員の健康状態チェック:各作業員が疲労・体調不良がないかを確認。ヒューマンエラーの防止につなげる
- 5S活動:作業場をきれいに整頓し、生産性向上や事故防止につなげる(5S:「整理・整頓・清掃・清潔・躾」のイニシャルを取ったもの)
- ヒヤリハット事例の情報共有:重大事故につながる可能性があるミスや事象を共有して、意識を高めていく